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ねこと話し~ねこの話

保護猫活動をしてみて思うこと考えること

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羽生くんの物語

羽生くんは四年前の二月、ソチオリンピックの興奮のさなかに保護されたこでした。

迷子猫?一時預かりさん募集します

首からメダルを下げていたので、保護の仮名は羽生くん、となりました。
当初は三、四歳くらいかな?と思われていましたが、よくよく調べてみるとけっこう歳かもね?ということでした。
子猫があまりいない季節のはちねこカフェで、気のいいオヤジネコ羽生くんは、お客さんやスタッフ達にとても可愛がられました。
ただ、ウイルスチェックでFIV陽性が出たこともあり、なかなか里親さんは決まりませんでした。(もちろん、FIV陽性でもご希望する里親さんはいらっしゃいます)

春が訪れ、譲渡会のはちねこカフェのケージは子猫でいっぱいになり、羽生くんはてんてん家で、のんびり「果報は寝て待て」モードの生活になっていきました。
時たま、私がてんてん家を訪れると、羽生くんは玄関先まで出てきて「にゃごにゃご」話しかけてくれました~。
「ちょっと~、羽生くんまた太ったんじゃない?」「えー、そんなことないよ」
そんな私たちの会話の傍らで、羽生くんは「にゃごにゃご」、やっぱり気のいいオヤジネコでした。

そんな羽生くんが痩せて弱ってきたのはいつからのことだったのでしょうか。
「でも羽生くん、ちゃんと食べるんだよ、栄養になって身について太りはしないんだけど、ちゃんと食べるから」と、聞いたのは先月のにゃんにゃんにゃんの日でした。
「いつ死んじゃうかしら、と毎日毎日心配したんだけど、ちゃんと食べて頑張っているんだよ~」

それからも頑張り続けた羽生くん、とうとうとうとうお迎えが来たのでした。






私はなぜだか、たくさんいる保護猫の中でもとりわけ羽生くんが好きでした。
羽生くん死去のメールをもらってからは、なぜなんだろうどうしてなんだろうと、とても気になりました。
私が預かりをして育てたこでもないのにね・・・。
数日、はて、と考え続けて、そしてあることに思い当たりました。
それはとても昔のことです。

私は幼い頃、団地住まいだったので規約により犬猫を飼ってもらうことは出来ませんでした。
実は私は猫が欲しかったのです。
よく遊びに行く親戚のお家にいる猫のような、ちゃとらの猫が。
大好きなマンガの「にゃんころりん」のような、ちゃとらの猫が。
ムツゴロウさんの映画のチャトランのような、ちゃとらの猫が。
幼い私の心の中に住む猫は、なんと、ちゃとらのこだったのですね・・・。

よく、はちねこに新しい保護猫が来て、「預かり、何色のこがいい?」なんて聞かれると
私は「何色でもいいよ」と答えるくせに、心の中で「ちゃとらのこは来ないのかなぁ・・・」と少し未練の気持ちが湧くのはそんなわけだったのですね・・・。
自分でも理由がわからないでいたのに、理由がわかってびっくりです。
だから、私は羽生くんが気になって好きだったのだと思います。






まだ羽生くんが元気だった頃、羽生くんに一人の訪問客がありました。
大学生の女の子です。
彼女は張られていた羽生くんのポスターを見ていて、長く悩んでいた、と話し泣いたそうです。
大学を卒業する時に、故郷に羽生くんを連れて帰りたい、とも話したそうなのですが、何分、そのご実家が遠く、またご実家の許可も確定したものでなかったので、「話をつめて、またいらしてください」と伝えたそうです。
その後、
私が知っている限りでは、
彼女についての続報はありません・・・。

猫を飼うことは命を預かること。
そのことを、学生さんもわからないでいたわけではないでしょう。
でもその時の学生さんに、命を預かる覚悟と行動力はなかったのでしょうね・・・。
愚かなことです。
愚かであっても、きっと羽生くんはその学生さんが好きだったのでしょうし、また学生さんも羽生くんを好きだったことでしょう。

彼女がこの先の人生で、生涯の伴侶や自分の子どもを持つとき、
羽生くんの教訓から、命に責任を持つことが本当の愛だと学んで欲しいものです。
たとえ若いときに愚かな失敗があっても、人は勇気を持ち臨めば変わることが可能です。






成猫の保護猫さんは、はちねこにたどり着く前に、みんなそれぞれの物語を持っています。
その物語をも引き受け慈しんでくれる里親さんに出会って幸せに暮らすこもたくさんいます。
羽生くんはトライアルに出ることもなかったけれど、それでも羽生くんが抱えていた物語を凌駕するほどの愛情は注がれていたと思います。
羽生くんを最後までお世話し看取ってくれたのは、てんてんさんです。
もしかしたら、「えー、愛情なんてないよ、仕方がないもん」と、てんてんさんはうそぶくかも知れませんが、羽生くんのほうはきっと素直に気持ちを伝えてくれたことでしょう。
気のいいオヤジネコですからね。

お世話をしてくれてありがとう。
最後までありがとう。


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